灼熱の太陽が降り注ぐ中、美しいランが咲きました。
虜になった蝶が、何度も何度も花びらに舞い降りては、飛んでいきます。
そのランは、世界に一つだけの、蝶にとっては一生忘れられない花となるのでしょう。
かわいそうに、自分のものにならないと分かっていながら寄り添う姿は、はかないものです。
どれほどの魔法を、そのランは、ある一匹の蝶にかけたのでしょうか。
夢中で夢中で仕方ない姿を見る度に、その蜜の魔力が知りたくなります。
何か通じるものがあり、心苦しいものがあった夏のある日・・・。